最初にタイトルについて補足をしておきますと、当然ながら中国のローカル美容院に行くと必ず変なカットにされるという訳ではありません。
中国にも、『ハサミひとつで世界のファッションを変えた』と言われるヴィダルサスーン氏の中国語翻訳版カット理論教材が出てたり、日本でも学ばれているロンドン発祥のTONI&GUY(トニーアンドガイ)教育課程を修めたカリスマスタイリストがスクールを開いて中国の美容業界レベルの向上に努力してたりしています。
日本人カリスマ美容師も北京などに美容室や美容スクールを創設して、中国人美容師向けに技術と理論を教えています。(うちのオーナーによると彼らはそれほど成功してないようだ、と酷評でした。。。美容業界も日本人だから尊敬されるという時代ではなくなってますね。)
その様な環境ができているので、向上心がある中国人美容師たちは貪欲に学んで経験を積み、高い美容技術を身につけています。
ただ、そういう高いレベルの美容師さんは、以前のローカル床屋の話題で触れた様な、カット料金380元とか、高いスタイリストでは1,200元という日本人価格よりも高い価格設定でお客さんを選んでいます。
(当店の最高値の中国人スタイリストのカット料金は680元ですッ)
前置き長がくなりましたが、ローカル美容室にも良い美容師はいます。
今回話題にするのは、カット料金15元~30元程度の、時々日本人が『おっ!安いじゃないか!中国語も自信がついてきたし、試してみるか!』と冒険してみて、高確率で変なカットにされてるドローカル美容室です。
変なカットにされる訳、それは以下の様なものです。
1.中国には日本のように理容師免許や美容師免許などの免許制度が無いので、昨日理容鋏を初めて手にしたお兄ちゃんでも今日からお客さんのカットができてしまう。
2.常連客になりそうに無い外国人である日本人客は新人の実験台になってしまう。
3.小さな子供はクレーム言ったりしないので同じく練習台にされてしまう。子供カット料金が安く設定されてる場合、給料が歩合給の彼らはインセンティブが少なくやりたく無いのでベテランはやらず、たいてい新人がカットする。
4.道具に限界がある。例えばローカル店の美容師が道具を仕入れる美容道具市場では、刈り上げ用の薄い櫛は手に入らない。女性の長い髪のカットで使う櫛1本で刈り上げもしているので繊細なぼかしカットができない。
5.理容室と美容室を分ける法律が無いので、敢えて言えば美容室しかない。男性も女性も来店するので専門化が進まない。やはり女性のヘアスタイルの方がバリエーション豊で楽しいので、美容師達は皆女性のヘアスタイルの方に熱心になるので、男性の髪型は1つの切り方しか習得してなかったりするので、どう注文しても同じ髪型になる。
といった理由です。
そして、タイトルにも書かせて頂いた、私も『なるほどぉ~』と思った、あるお客さんが分析された『変な髪型になってしまう理由』があります。
それは…、中国ローカル美容業界で、
韓流が流行っている!
という理由です。
もちろん中国の美容業界全部が韓流ブームに飲み込まれている訳ではありませんし、日本の『かわいい』ヘアスタイルが大いに参考にされています。
ただ、数年前から韓国POPミュージックが流行って来ているのと合わせて、韓流スタイルが流行しつつあります。店内に韓流スターのポスターを貼りまくってるお店もあるようです。
仕上がりが何だか変だと思うのは、技術の問題かセンスの問題だけかと思っていましたが、担当の技術者の中の憧れというか、格好いいと思っている髪型に韓流ヘアスタイルがあって、カットしながらそれに近づけて行こうとしているので、もし技術がしっかりしていても、日本人からすれば変な髪型になってしまうのですね。
しかし、上にアップした新聞記事ですが、たまたま見つけた画像で何新聞か分からないのですが、『日本男児も韓流がモテ髪』って、一体何なんですかね!
新聞記事も、新聞社よってはたまに大嘘書くものと思ってはましたが、これはヒドいですね。
新聞社って世論のみならず髪型の流行も自分達で作れると思い上がってるんでしょうか。
もし若い子がこの記事を切り抜いて持ってきて、「こんな風にお願いします。」と注文しても、「やめときな~。これ日本男児っぽくないし、実際流行ってないし、ぶっちゃけ格好悪いよ。」と全力で止めにかかると思います。^^)
ちょっと話がそれましたが、以上、中国ローカル美容室に行くと変な髪型になってしまう理由でした。