最近、時々出会う中国式のイラッとさせる接客を受けていると、
なぜか、ふと、以前聞いた昔話を思い出しました。
どこに掲載されていたか忘れてしまったのですが、
以下のような故事です。
↓
昔、ある国の殿様が家来を引き連れて、
城下町へと視察にやってきました。
とある食事処に入り、定食を食べた後、
殿様と家来たちは、国をどう治めていくかについて熱く語り始めました。
その食事処には、気が利く美しい若い娘がおりました。
その若い娘は、殿様の湯飲みのお茶が空っぽになっているのに気がつきました。
そこで、その湯飲みを下げて新しくお茶を注いで出しました。
その時、お茶に葉っぱを浮かせて出したのです。
その後タイミング良く、殿様は熱く語りすぎて喉が渇き、
お茶を飲もうとして、湯飲みに葉っぱが浮いていることに気がつきました。
『ん?!お茶に葉っぱが浮いているではないか』
すると、その美しい若い娘はこのように説明しました。
入れたてのお茶は非常に熱いので、
もし殿様が話しに夢中で一気にお茶を飲もうとされたらやけどをしてしまうと思い、
かと言って冷めたまずいお茶を出すのも失礼なので、
こうして一気に飲まれませんよう葉っぱを入れて出したのです。
殿様はこの回答を気に入って、その娘をお城に取り立てることにしました。
チャンチャン?
というお話です。
(よく憶えてない部分を少々脚色しました)
以前この話を初めて聞いたとき、
あ~葉っぱが浮いてたら確かに一気飲みできないよな~
ぐらいの感想しかありませんでしたが、
サービス業を続けてきて、今この話を聞くと、
なるほどな~と改めて関心しました。
お茶を出すときに「熱いのでお気をつけ下さい~」と言えれば、
それで済んだ話ですが、
1.熱く語っているのを邪魔したくないという気遣い
2.身分が違い過ぎて気軽に話しかけられなかった
というどちらかの事情により、それができなかったのだと思います。
そういう状況下で、
熱いお茶を出して知らん顔をするのではなく、
冷めたまずいお茶を出してお店の質を落とすことも無く、
「無礼者!!」と殿様に怒鳴られるリスクも恐れずに、
殿様が「あっちっち!!」と熱さにびっくりして部下の前で恥を晒さないよう、
葉っぱを浮かせるという機転を利かせた見事な対応をしました。
この美しく若い娘はこういう判断を一瞬でできる、
非常に賢い娘だったのでしょうが、
外見は決してインテリお嬢様という感じではなく、
現代で言えばモデルのローラさん
※http://trender-news.comより転載
みたいに天然キャラを演じていて、
「だって殿さま、話に夢中だったから~、熱いお茶一気飲みしちゃうかと思って~☆」
という感じで答えて、
殿様をも胸キュンさせたんじゃないかと思うのです。
…あ、ここは勝手な妄想です(笑)
その娘がローラみたいな娘だったかどうかは別にして、
こういう故事から、
「昔の日本にも気が利く接客をする人っていたんだな~」
と学ばせてもらってます。
こういう話が昔からあるということは、
「サービス精神」とかいうものは、近年サービス業が発展してきてから初めて出てきたものではなく、
日本に昔から根付いていた文化なんだろうな~と思います。
日本が発展途上だった時も、
中式のあのイラッとさせる接客は
していなかったと思うのです。
日本に大量に押し寄せている爆買いのお客さん達には、
ぜひ日式接客を学んで帰って、こちらで広めて欲しいですね~。